昨年末から 身近な人が入院する事態に遭遇し、医師の態度にも疑問を持つ事が多かった。
特にお向かいのダンナさんが入院した医療センターの医師はひどかった。
その人は、年末に倒れ、病院へ搬送されたものの 四肢麻痺になってしまった。
原因は「後縦靱帯骨化症」という、難病で、本人も家族も
誰もそんな病気を本人が持っている事を知らなくて、
靱帯の骨化が進むと脊柱間狭窄症のような状態になり、
手足のしびれを感じるのが、前兆症状としてあるのだそうだ。
事実、◯◯さんも、日頃から指先が痺れると言っていたのを、私も聞いていた。
お酒を飲んだ後、長い時間ソファーで首をもたれかけて寝ていたのが、
引き金を引く結果となり、頸椎のあたりで、
神経が「骨」によって断裂してしまった結果、四肢麻痺になってしまわれた。
でも、脳梗塞と違い、意識がクリアで、頭がハッキリしている事が、気の毒でならない。
神経をやられてしまったので、色んな指令が筋肉に届かない。
結果自発呼吸も困難な状態になってしまい、気管切開を余儀なくされてしまった。
つまり、喋る事も出来なくなってしまった。
お向かいの奥さんから、「ダンナさんの血中酸素量が低下し、
今意識不明になっているので、すぐ来て欲しいと
病院から連絡があったんだけど、連れて行って貰ってもいい?」
と言う電話があり、すぐ彼女を乗せて山の中の医療センターへ車を走らせた。
親族でもない私は車で待っていようと思ったのだけど、
付いて来て欲しいと言われ、一緒に病室に入って行った。
看護士さんが
「一時心肺停止したんですけど、蘇生処置をしましたので、
意識レベルも落ち着いてます。
もうすぐドクターが説明に来ますので、暫くお待ち下さい」
と言うので、そのまま病室で待機する事に……。
待つ事10分、ドクターが入って来て、開口一番、口にした言葉に我が耳を疑った。
「あ、◯◯さん、あのね、肋骨折れてるからね、しょうがないじゃん、蘇生したんだもん」
ハァ?ハァぁぁぁぁ===????
肋骨折れてる!
蘇生したから……しょうがないぃ?
え?私は被害妄想になってる???
そんな事を医者が言う?
でも、妄想でもなんでもなく、それは余りにも情けない事実で、
そこからも このドクターの毒舌は延々と続き、
「で、どうする?こんなこと、これからしょっちゅうあるよ?
その度 肋骨折れてちゃ困るでしょ?
はっきり言って治らないからね◯◯さんは…。
次こんな状態になったら どうする?
もうヤメる?どうせ人は死ぬんだしさ、
◯◯さんは現代の医療を受けられたから、こうして 命を長らえてるけど、
これがさ、15年前なら、もうアウトだよ。
現代でもサ、発展途上の国とかで、同じ事が起こったら、
やっぱりアウトだよ。
ま、人は誰しもいつかは死ぬんだしね。
そうでしょ?あなたのおじいさんやおばあさんも死んだでしょ?
江戸時代の人が今でも生きてる?生きてないよね。
だからさ、次 心肺停止になったら、もう蘇生しない方がよくない?」
こんな事をサラッというこの医者は いったいなんなの?
奥さんが聞いた。
「どうして心臓が止まったんですか?」
「あー、迷走神経が暴走しちゃったんだよ」
「え?何神経?」
「迷走神経だよ、知らない?お腹んとこまで走ってる、
カラダの中で一番重要な神経って感じかな。
それがね、心臓の動きも制御してんのね。
でも、◯◯さんの場合、脊髄がイカレチャッテルじゃない。
抹消に指令が行かないんだよね。
でさ、脳は指令を出すんだけど動かないでしょ?
じゃやっぱりイライラするわけさ。
人はね興奮状態が続いた後、興奮が収まった時点で
心臓のバクバク感が収まってくるわけ。
所謂 副交感神経が優位になったってことね。
で、極端にリラックス状態が続いて、心拍数が下がってきて、
今回みたいな事になったってわけ。
迷走神経ってのは交換神経と副交感神経を操ってる神経の事。
それが、うまく働かなくなっちゃったって事ね。
ま、結局はオレたちプロに任せてもらうしかないんだけどさ、
◯◯さんのようなケースは症例が少ないからさ、
他からのやり方を持って来て対処するしかないんだよネ」
…………と、こんな感じで喋りまくる医者。
奥さんはじっと聞いているだけだった。
この会話を、患者である本人が聞いている所で、なぜこんな事を平気で言えてしまうのか?
いくら三次救急の病院で、
医者たちの感覚が麻痺しているとはいえ、
ここへ来る患者は みんな 一様に死ぬか生きるかの瀬戸際で
搬送されて来るのだ。
家族も勿論本人も、医者に命を託すしかない状況で、
こんなヒドい言い方をされるのは いくら命が助かったとしても、
メンタル面で立ち直れないんじゃないかと 思ってしまう。
その日は腹が立って腹が立って、夜眠れなかった……。
病院と医者を選ぶのも寿命のうち……。
でも、救急車で運ばれてしまったら、まな板の上の鯉だもんね‥‥。
「医は仁術なり」 とは もう死語なのかもなぁー。